葉月(はづき)

葉月イメージ「ひまわり」

旧暦の八月は、仲秋にあたるので、秋を思わせる名称が多く見られます。最も一般的なのは「葉月」で、その「葉」は、中国で古くから、月に生えていると信じられていた「桂」のことを示し、「桂月」(けいげつ)とも呼ばれています。 他に、「月見月」(つきみづき) 「観月」(かんげつ) 山々が紅葉に染まり始めるので「紅染月」(べにぞめづき)、 涼しくて露がたまる月と言うことで「白露」の名称も あります。また、雁(がん)が飛んできて、燕(つばめ)が去っていくと言われることから「雁来月」(がんきづき)、「燕去月」(えんぎょづき)とも言われています。

今月の二十四節気と雑説
五日ー土用二の丑

八日—立秋(りっしゅう)

二十三日—処暑(しょしょ)

今月の草木花
向日葵(ひまわり) 露草(つゆくさ) 駒草(こまくさ) 百日紅(さるすべり) 大待宵草(おおまつよいぐさ) 百日草(ひゃくにちそう) 白粉花(おしろいばな)

作一の季節便り

八朔(はっさく)

昔、毎月の朔日(さくじつ―第一日)を吉日とし、祝う風習があり、ことに八月朔日は、その年の新しい実りを取り入れて祝いあいました。 この農民たちの風習は、鎌倉後期から武家社会や朝廷貴族、僧侶の間に取り入れられ、公儀の贈答慣例となり、江戸時代になると「八朔」は幕府の重要な式日の一つとなりました。ちょうど 「八朔」の日に徳川家康が江戸入りしたこともあり、吉原では白装束のおいらんが郭内を繰り歩きました。

立秋(りっしゅう)

二十四節気の一つで、今の暦では八月八日頃にあたります。暦の上では、秋に入るわけですが、まだまだ暑い日が続きます。

「立秋」を過ぎてからの暑さを「残暑」と 呼び、手紙などの挨拶も「暑中お見舞い・・・・」から「残暑お見舞い・・・・」に変わるときとされています。

虎魚(おこぜ)

ダルマオコゼ、ヒメオコゼなど色々種類はありますが、食用とするのはオニオコゼだけです。 本州の中部以南から朝鮮半島、南シナ海に棲み、体色は棲む場所により異なります。 白身で脂肪が少なく淡白であり、色々な料理方法でも美味とされています。「おこ」とは、笑いに値するほど愚かな形、容貌を意味し、「ぜ」は、魚名の接尾語で、これが「おこぜ」の名の由来と考えられます。

「真夏日」と「熱帯夜」

最高気温が二十五度以上の日を「夏日」、三十度を越える日を「真夏日」といい、一日の最低気温が二十五度以下にならない日を「熱帯夜」と言います。
ちなみに、鹿児島の「真夏日」の平均日数は六十八日、東京は四十五日ですが、札幌では九日しかありません。

丹波太郎

真っ青な空に向かって、もくもくと沸き上がる「入道雲」は激しい上昇気流によって生まれ、「雄大積雲」とも呼ばれています。学名は「積乱雲」で、発生する場所は 毎年一定のところとされていました。

この「入道雲」は 各地方によって固有名詞を持ち、大阪では「丹波太郎」と、関東武蔵野地方では「坂東太郎」と呼んでいました。

冬瓜(とうがん)

熱帯アジア原産の一年生つる性草本の「冬瓜」は、二~三キロの物から二十キロを超えるものまで多くの種類があります。日本のものは十キロ以下で果肉は厚く白色で多汁です。果実の約九十六%が水分で、ビタミンB1、B2、Cをわずかに含みます。

夏に収穫されますが、冬までおいしく、保存性がよいとして「冬瓜」の名前がついたとされています。

大文字五山送り火

毎年八月十六日、お盆に迎えた先祖の聖霊を送る火の行事として京都で行われます。東山如意ヶ岳の大文字のほか、松ヶ崎の西山に妙、東山に法、西加茂明見山に船形、大北山に左大文字、嵯峨の曼荼羅山に鳥居形と、次々に送り火の炎の文字が浮かび上がり、今では夏の風物詩の一つとされています。

茗荷(みょうが)

北海道から沖縄まで自生し、数少ない日本原産の野菜の一つです。また、野菜として栽培しているのは、世界で我が国だけです。「茗荷」の食用は正倉院文書や、九二七年の「延喜式」にも記録があり、古くから利用されていたことがわかります。花穂を「花茗荷」または「茗荷の子」と言い、若い茎を軟化栽培したものを「みょうがたけ」と呼び、品種としては、夏に花をつけるやや小型の夏茗荷と、秋に出る大型の秋茗荷とがあります。

昔、釈迦如来の弟子にたいそう物忘れのひどい人がいて、その人の墓に茗荷が多く生えたことから「茗荷を多く食べると物忘れがひどくなる」「茗荷を食べ過ぎると馬鹿になる」と言った俗説が生まれたと言われています。

処暑(しょしょ)

二十四節気のひとつで、立秋から数えて十六日目を言い、毎年八月二十三日頃にあたります。「処暑」とは「暑さの処(お)るところ」ということで、「止暑」の意味と言われています。つまり、「暑気が去って止まる頃」となります。

また、この日は「三伏の候」(さんぷくのそうろう)とも言われ、夏の極暑の期間の三伏目(末伏)が終わる日とされ、この日から秋の気配が濃くなると言われています。

あこう

正式な学名は「キジハタ」で、クエと同じハタ科に属するアコウは、日本中部、朝鮮半島、中国の沿岸に分布し、ハタ科の中では冷たい水域に棲んでいます。浅い岩礁域や、内湾にも出現し、魚類、貝類、甲殻類など、口に入るものはほとんど飲み込むように食べ、群れを作らず、単独で行動します。ちなみに、ハタ類は、成熟する固体は、最初は全て雌となり、更に大きく成長すると雄になる、いわゆる「雌性成熟型」の性転換を行うと言われています。従って、小型のもののほとんどは雌です。

夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものそ

【万葉集、巻八、大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)

ひめゆりは丈が低いので、生い茂る夏草の中に隠れて上からは見えにくい。この歌はそのように相手に知られず、我が心ひとつで思いを焦がしている女心を表現しています。燃えるように真っ赤でピンと上を向いて咲くこの姫ゆりのように、一人で思い悩むだけに一層思いは募る。相手に伝えたいが果たせないその思いを「知らえぬ恋は苦しきものそ」と嘆き詠んでいます。

(せみ)の声 きけば悲しな 夏衣 うすくや人の ならむと思えば

【古今和歌集、紀友則(きのとものり)

歌意は「蝉の声を聞けば悲しいことだ。秋が来ると、それとともに相手の心も、夏衣のように薄く変わろうかと思うので。」となります。



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